遅番日記

何とな〜く、何気な〜く、日々のこと

Passing point

『〇〇にとって、介護が天職だと思う』


前の職場の元同僚から言われた


ちょうど?転職を考えてた


でもまだ気持ちが出来てない

天職なのかどうかはさておき

あの…日常に戻る準備が

まだ出来てないと思う


辞めた理由はアレだったけど

介護を職にしていた時よりも

これでも随分周りの事が

冷静に見られるようになったんだ

生活全般に対しての視野が

少しずつ広がっている

…気がする


介護職をしていた時

本当に仕事の事しか頭になかった

他の事に対して考えが及ばなかった

余裕がなかった

でも余裕が無い風には見られたくなくて

平然を装ってはいたが

はたしてどこまで騙せていたのか…


今になって本当にそう思う

今の仕事は

プライベートとの棲み分けが出来ている

…と思う…前よりは


介護職はわりと

頑張れば頑張った分だけ

結果としてあらわれる仕事だと思う

お客さんの色々な症状だったり

家族とのやりとりだったり

売上につながったり

会社の中で求められる役柄を

それなりに演じていれば

それなりの階段も用意され

将来的な事も視野に入れ易い


でも今の会社は

組織が入り組んでないおかげで

ポストもわかりやすい

面接の時に言われていた立場には

もう着いてしまっていて

その先となると

中々に考え難い立ち位置を

狙っていかなければならない

ただそこに

自分がやり甲斐を感じられるか

というのが

今の自分にとっての焦点となる


難しいだろうなぁ

と思ってしまう


何せ天秤にかけているのが

やり甲斐の塊ともいえる介護職


かたやまだ成長するであろう職種だけど

壁にぶち当たって

ようやくメスが入りはじめた会社


在籍してまだ1年と少しだけど

目標と出来る人物や

自分が将来どうなっているのかという

ビジョンが全くと言っていいほど

見えてこない


成長は感じられているし

少なからず引き上げてももらっている

路頭に迷う所だった時に

拾ってもらったという恩義もある


ただやはり

将来が漠然とし過ぎている


介護職に戻るまでの繋ぎ

そう思って入社した会社だし

通過点であるのは変わらない


この会社に未練のようなものは全くない


怖いんだ

また周りが見えなくなるくらい

仕事に囲まれて

仕事だけを考えて生きていくんだろうなぁ

って何となく想像がつく

良い意味でも悪い意味でも

介護職とはそういう職種だと思う


そういう職場に戻る心の準備が

まだ出来ていないんだ


戻りたいと思えているから

真剣に考えて

ちゃんとした決断をしたい


そう

戻ることはもう決めているんだ


今いる場所

たった1年だけど

はじめての職種で覚えた新しいスキル

この通過点を無駄にしないように


また一から始めたい

ずっと想っていること

好きです

大好き

愛してる

これから先もずっと

この想いを持って

生きていきたい


正義感が強い事

損得なしに誰かを助けられる事

本当に大切な事を失わないでいられる事

僕では気がつけないでいた色んな優しさ

愛してると言ってくれた事

大好きと言ってくれた事

プロポーズを受けてくれた事

凹んでいた時に沢山抱きしめてくれた事

色んな所に一緒に行ってくれた事

手を繋いで歩いてくれた事

笑ってくれた事

怒ってくれた事

悲しんでくれた事

喜んでくれた事

涙を流してくれた事

キスをしてくれた事

一緒に寝てくれた事

一緒に暮らしてくれた事

毎日洗濯してくれた事

毎日ご飯を作ってくれた事

毎日掃除してくれてた事

毎日お風呂を準備してくれてた事

ソファで横になって待っていてくれた事

ただいまって言わせてくれた事

いただきますって言わせてくれた事

失敗したって笑ってくれてた事

ご馳走様って言わせてくれた事

おやすみって言わせてくれた事


行ってきますって言わせてくれた事


髪も指も

顔も

身体も

香りも

しぐさも


出会ってから

さよならをした

あの瞬間

そして今も

これからもずっと


あなたの事が

大好きです

好きです

愛してる

続くセカイ

だいぶ久しぶりに

アニメのハガレンを一気見した


とはいえ

実は最終回を知らない

僕にとってのハガレンの最終回は

ホーエンハイムの幸せそうな顔


割と色んなアニメや色んなドラマを観てる

と思う

けど最終回はどれも観ない

ん〜…観たくない


たぶん子供なのだ


終わってほしくないの

良い作品ほど終わってほしくない

自分の知らない何処かで…

それが例え異世界だったり

観ることが出来ない場所でかまわない

続いていてほしい

主人公たちのセカイが続いていてほしい


そう、願ってしまっているから

最終回を観ない


でも2期の制作が決まったら

1期の最終回を観る笑


実写ドラマとかは

犯罪物だったり

アクションがあったりするのが好きで

アニメは優しいお話しが好き


あ…ハガレンはバトル多いかな…


僕の中で

エドとアルのセカイは

今もきっと何処かで続いている


きっと10期くらいまで続いちゃってる

超大作になっちゃってるんだろうなぁ

day in day out

人間関係にちょっと疲れてた


ブラフと見抜けずにお金を取られてしまったり

仲良くなれそうかな?って思ってた人が

全然違う顔を持っていたり


こんな時にはやっぱり

独りになる時間が欲しくなる


そう考えると今の仕事の時間は

楽で良いかも、と思えてくる


僕が働いている時間帯は

だいたい僕1人の時が多い

他に同僚が居ない分

自分のペースで仕事が出来るし

何より気を使わないで良い


それでもよくわからない感情もあったりする


誰かと一緒に暮らしていた時の気持ち


行ってきますって言ってキスする事

ただいまって言える事

おやすみって言いながら温もりを感じる事

起こさない様に着替える事


全部全部当たり前になっていた事が

今は


独りになって一年ちょっとたった


こういう感情が出てきても良いのかな


また毎日

おはよう

おやすみ

って言いあえる日を

望んでいる自分がいる


仕事だけではなく

自分にとっての

生産性のある毎日を送っていこう

陽はまたのぼりくりかえす

"生き急ぐとしてもかまわない

飛べるのに飛ばないよりはいい"



陽がのぼった頃に家を出た


ラッシュの時間帯は避けたかったので

早目の時間に電車の席を予約していた


前は都内に住んでいた時もあったから

あまり気にならなかったけど

新宿駅や東京駅には

何だかアウェイ感があった

"毎日通勤してたんだけどなぁ"と

懐かしみながらも

何処かソワソワしてしまった


暖かいコーヒーと一緒に席につくと

何年かぶりの新幹線は動き出した

"6年前の京都旅行以来か"

途中まで思いを巡らせるけど

辛くなるのでやめた


西へむかう


途中、富士山や浜名湖を見る事が出来て

何だか心が落ち着いた


名古屋で乗り換えて

山岳地へ入っていく

高校時代の夏に軽井沢へ行った事があったけど

同じ路線のはずなのに記憶にない


家を出てから4時間くらいか

最寄りのはずの駅から

タクシーを拾って

おおまかな住所だけ伝えて送ってもらう

ここからはグーグル先生頼みだ


事前に手紙を出していた

"〇月〇日に伺います"

とだけ書いて、携帯番号を記して封をした


都合が悪ければ連絡が来るだろうと思っていたら

何もアクションは無かったので

決行した


タクシーを降りて

ここからは徒歩


全く知らない街だけど

何だか何処か暖かいような

明るくて、閉塞感がないように感じた


携帯にナビしてもらいながら

下を向いて歩いていると

『〇〇さん』

と、声がかかる


路地に入る手前の角にある個人商店の前で

両手に買い物袋を持った

優しい笑顔が

以前と変わらない実直な目を携えていた


『昼飯、鍋はどうかなって思って』

買い出しに出た帰りに

見つけてくれたようだった


おそらく築年数は結構経っているけど

手の行き届いた綺麗な部屋だった

必要最低限の家具と寝具

物欲が無いのは昔から変わらないかな

ただ、何処か簡素な感じもした

部屋の中を眺めていると

飲み物を運んできてくれた


『今日はありがとうございます』

『いや、こっちが押しかけただけだから』


そこから先の会話が

すすまなかった


聞いて大丈夫な事や聞かない方がいい事を

見繕って来たはずだけど

言葉につまった

ただ

『あの時は、本当にごめん』

伝えたかった言葉を

自己満足だとわかっていながら

伝えずにいられなかった


『あの時?って…?』

本人はスゴく気にしていても

当人が気にしていない事はよくある


そのまま、"あの時"の事を伝え

その後で僕がどう思っているのかを説明した


『いや、そんなに深い意味はなかったんですよ

"あの言葉"は本当にそのままの意味ですよ』

と、笑っていた

場が少し和んだ事で

会話がすすんでいった


用意してくれた昼食を頂きながら

お互いの近況報告をした

僕が介護職を離れている事を

ひどく気にしていたが

きっかけはどうであれ

自分を見直す良い期間だからと

伝えると

納得はいかないまでも

飲み込んでくれたようだった


会話が途切れた所で

『TV…無いでしょ』

"そうか、それでなんとなく簡素な感じがしたのか"と、思っていると

彼の両手が少し震えていた


『見れないんです、怖くて』


顔色が悪く、汗も止まらないようで

両手の震えも増していた


これまで

どんな事があったのだろう

どんな気持ちで過ごしてきたのだろう

誰にも頼る事が出来ず

誰の事も信じられず

罪に対する罰と制裁は

十分と思えるくらい受けている

この先もずっと

生きている限りずっと

背負っていく咎は

想像が出来ない


それでも彼は連絡をくれた

生きていると教えてくれ

これからも背負って生きていく事を

決意している

『それが自分にできる事です』

そう言う彼は

受け入れて

乗り換えて

前を向く為の準備をしているように見えた


また会いにくる約束を取り付けて

僕は帰路についた


帰り際、奥さんに連絡をとって良いかと尋ねた

『心と身体がもう少し落ち着いたら

自分からしますので』

まだもう少し時間が必要なんだろう

それ以上話しを広げる気はなかった


昨日の夕刻、手紙が届いた

今度はしっかりと差出人の明記があった


"やっぱり話せて良かった。少しずつですが自分のした事への向き合い方を変えていけそうです。今はまだ無理ですけど、今度は自分がそちらへ伺います。"


1枚の写真が同封されていた


子供を抱きかかえている

四角い黒縁眼鏡の向こうの目は

泣きながら笑っていた

たくさんできたよ

ここ1年、人付き合いを避けていた。


深く関わりを持つ事や

築き上げた目に見えない物が

瓦解する事への恐れ


関係性を保つ為の気配りだったり

慎重な言葉の選択だったり

場の空気を読む事だったり


疲れていたのかな

イヤになっていた


自分本意に生きてみてもいいんじゃないか?

そう思っての1年だった


でもやっぱり

人の本質は

本当の自分は

なかなか変えられないんだろうなぁ


新しい会社で

新しい自分で

新しい同僚や

新しい在り方


それでもやっぱり

過ごしてきた人生が

どこかしらに存在する


社交的?

バカ言うな、どんだけ気ぃ使ってると思ってんだ

悪口言わない?

陰で言ってるヤツほど言われてんだよ、いい加減気がつけよ

優しい?

違うね、興味がないだけだよ

ホント頑張るよね〜

やる事やってるだけ、何もしないヤツからはそう見えんのかね


いつまでたっても

どこまでいっても


自分は自分だった


結局また

大切ではない人達が


たくさんできたよ